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This Category : 小説 【その他】

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毎日晴天!EX.1 「もう一つの夏」 ~ 菅野彰

2007.08.12 *Sun
なかなか手に入らなかった「毎日晴天!」の同人誌。
やっとこ入手できました~♪
現在のところこれ1冊しか出てないので、晴天マニアとしては大変な貴重品です。
すごくドキドキしながら何度も何度も読み返しました。
だってだって勇太と真弓が・・・!
そんでもって大河と秀も・・・!!

しかしなんでしょうねえ、このドキドキは・・・。
他のBLに比べたらエロといえるようなエロもなく、本当に描写自体はぬるま湯のようなものなんですが、その辺りのどんな過激なBLよりも鼻息荒くなっちゃいます。
思うにちょっと身内をのぞき見しているような感覚にとらわれているんでしょうね。
だからちょっとくっつくだけでキャー!って思っちゃう。
何だかんだでやっぱり晴天が好きなんだなあ・・・と再確認してしまいましたです。うん。

念願でした・・・・゚・(つД`)・゚・


ストーリーは本編とはちょっと違うパラレルワールド。
真弓が「勇太の初めてが全部自分なら良かったのに」と涙ぐんだ、あの言葉を再現してくれてます。
なので帯刀家が事故の後に一家離散となっていたり、大河の足が少し悪かったり、真弓は親戚や施設を転々としていたりと、ちょっぴり設定も異なっています。
あ、勇太の荒くれ具合はそのままかな。
相変わらずのストリートチルドレンっぷりでした(笑)
菅野さん的には70年代をイメージしているそうですが、30年前って言っても、そんなにスラムじゃないだろう岸和田・・・って思ってみたりして。
前書きでも触れられてるんですが、キャラの性格も若干この同人誌では別モノとなってます。
大河が根暗だったり、真弓がおとなしかったり、秀が包容力ありありだったり。
勇太は変わんないですね、はい。
でもこの性格設定については、私は違和感ありません。
むしろちょっと好きかも・・・私の中の妄想大河に近いですよ。
原作はちょっとはっちゃけすぎなので、私としてはもっと落ち着いた大河っていうのが理想なんですよねー。

内容は簡単に言うと・・・勇太と真弓の出会い、そして真弓を探し続けている大河のお話。
勇太は真弓に一目惚れし、真弓も勇太に自然と身を委ねます。
どの世界にいてもアンタたち惹かれあうんだよね・・・なんて、顔に似合わずロマンチックな気分になっちゃいましたよ。はあん。
で!
夏の熱気で蒸した廃屋の中、勇太は真弓にガバっ!といくわけです。
いやもうすごい天然魔性な誘い受けでした、真弓。
ヤる代わりに何か欲しいものを買ってやると勇太に聞かれて「なまえ、教えて」ですから。
「うん。そしたら、何してもいいよ」ってー!それー!
あまりの純粋さに色気もなにも垂れ流し状態で、いやはや参った。
さすがの勇太も手を出したいんだけど、汚したくない・・・みたいな。
そんな感じで結局、中途半端なところでやめちゃった勇太がかわゆかったですよ~。

そして一方、大人カプ。
大河はやっと見つけた弟が、たちの悪そうな少年(勇太)に売春まがいのことをさせられている事を知ります。(実際は何もさせない美人局なんだけど・・・)
しかも足のせいで追いかける事も出来なかった自分に、激しく自己嫌悪。
それを秀に慰めてもらうんです!!
ここ最大の萌えどころですよ!!!
すごい秀が積極的なんです。
しかも誘ってる・・・秀が誘ってる・・・秀が・・・キャー!!!

真っ暗な六畳間に手を引いてね・・・
一つしかないお布団に誘うのね・・・
しかも自ら襟を開いてね・・・
そして言うのね・・・
『一緒に寝よう?』(by 阿蘇芳秀さん)

( ゚Д゚)・∵. ゴフッ!!

本編でも秀にはそれくらい誘って欲しいものです。
そして大河ももっと秀に甘えればいいのになあ~。
同人誌らしく、なかなかに面白い趣向でした。
はあもえもえ。
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COMMENT (4) 

あしたのきみはここにいない ~ 崎谷はるひ/山本小鉄子

2007.07.17 *Tue
何気なく手に取ったコミックスでハマり、その後CDを聴きまくり、そして今回の小説版でメロメロになってしまった「あしたのきみはここにいない」。
まんまと乗せられているような気もしますけども、絵→音→文の流れは結構ハマってしまうかも・・・。
今回も最後の小説で各所に加筆というか詳しい描写がなされていたので、お話にすご~く奥行きが出たような気がしました♪

小動物のようなクリックリおめめ(((´ω` *)
DSC0091504.jpg DSC0091603.jpg

あらすじはコミックス・CDをきちんと踏襲しているので、全く違和感はなしです。
特に自分のフィールドに入ったからか、めちゃくちゃ本領発揮されている感じです。
と言うか・・・かなりえろいんですけどね、崎谷先生。
私にとっては初めての崎谷さんだったので、余計にそう感じるのかもしれないんですけども、とにかく甘くてねちっこい。
ミオたんの喘ぎがいちいちやらしくって、おねいさんホント困っちゃいましたよ~ヾ(〃゚ω゚)ノ
つか、これが崎谷テイストですか?
濡れ場描写はけっこうポルノ・・・なんだけど、決して嫌いじゃないかもです。
エロと甘さとリアルがうまい具合にミックスされていて、むしろ好きなタイプの作家さんかも~。
そう、私には甘さが必要なのよ!うん!

いっぱい泣かされてたなあ、ミオたん・・・(゜-Å)


そして続くもう1編はその後のふたり。
書店でアルバイトを始めたミオが、姉の同僚である六浦に必要以上に馴れ馴れしくされてしまい、またそこを運悪く北原に見られてしまった・・・というなんとも間の悪いお話です。
まあなんつかこのお話は、他愛もないカップルの日常的風景ですね。
大人気なくつまらない嫉妬でプリプリしている北原が無性に可愛かったです・・・ええ、プリプリしている間はね・・・。
案の定その後はお仕置きとばかりに、エロエロ大暴走でしたけども。
しかしねえ先生。
快楽に素直なのも結構だけど、程度があるよ!まったくもう!
「ん、ちょっと出てきちゃった……」ってアンタ・・・( ゚Д゚)・∵. ゴフッ!!
すごい気持ちよかったんだろうねえ・・・でもせいぜい病気にだけは気をつけてくださいませねえ。
ちなみにこのお話に出てきた六浦と、その幼なじみ・沢木とのストーリーは「あの日のきみを抱きしめたなら」というタイトルでルチルにて連載中です♪
ここにもミオたんとセンセイが出てきたらいいのににゃぁ~。

・・・とまあ、こういうノリででこれまでワー!キャー!と感想を書き散らしてきた訳ですが、最後のあとがきでついにやられちゃいましたです。
『先生と生徒という、ある種王道設定の、恋愛以外の要素がゼロといっていい、ただ恋をした、それだけの話。』
その「ただ恋をした」って響きにうっかり涙腺が緩んじゃいまして。
やはりシンプルものほど、ガツンと胸に来るものなんでしょうか~(*゚ー゚)
そして恋愛以外の要素がゼロという普通のお話で、これだけ読ませてくれる作家というのは、なかなかの腕だなあとも思いました。
ううむ・・・崎谷先生、かなり気になる存在になりつつあります。
あとは全サの小冊子でラストですね。
はあああああ、楽しみすぎます☆
えと・・・最後に叫ばせてください。
ミオたーん!!!好きだー!!!
センセー!!!エロすぎー!!!

六浦×沢木♪
DSC0091801.jpg

COMMENT (6) 

「許可証シリーズ」 ~ 烏城あきら

2007.04.18 *Wed
あちらこちらで評判の良い烏城あきらさんの「許可証シリーズ」。
私も遅ればせながら読んでみました。
現在刊行されているものは以下の5冊。

「許可証をください!」
「慰安旅行に連れてって!~許可証をください!2~」
「嵐を呼ぶ台風!?~許可証をください!3~」
「ただいま定修中!~許可証をください!4~」
「君にもわかるISO~許可証をください!5~」

表紙を見てもふたりが対等であるというのがわかります。


あら5冊もいけるかしらなんて思いつつ、通勤途中にちびちび読み進めていたのですが、なんのなんの面白くてあっという間に読了でした。
舞台は中小化学薬品製造業の喜美津化学。
そこで働く製造部の若頭・前原健一郎×品証部(品質保証部)の美人・阿久津弘を中心に、製造現場で起こる様々なトラブルとふたりの恋愛模様が、それはもうしっかりと描きこまれています。

このシリーズ色々とオススメな部分はあるのですが・・・まず言えるのはストーリーが紋切り型であるという事だと思います。

現場で問題が発生 ⇒ それに絡んでふたりが対立 ⇒ でも力を合わせて窮地を脱する ⇒ 幸せエッチ


ほぼこのパターンじゃないでしょうか。
そして発生~対立の合間に流されエッチがあったりもします。
しかしワンパターンって決して悪くはないです。
安定感があって私は結構スキですから(゚∇^*)

そして仕事に関する部分の記述が、とてもお飾りとは言えないくらいしっかりみっちり描かれています。
私は製造業の現場を全く知らないのですが、そうでなくとも組織に属したことのある人間ならば、必ずぶち当たる様々な問題・・・学歴やキャリアに関すること、もしくは部署間でのせめぎあい、また顧客に対する姿勢などなど。
こういったリーマンならではの苦悩や苦労というものが、リアルに描かれてました。
これは沢山の人間の中で働いたことのある方ならば、痛いほど解る感覚ではないでしょうか。
もちろん私も自分に当てはめて、ものすごく共感する部分も多かったです。

巻末にこんなオマケもありました(。・ω・。)ノ
DSC0068802.jpg

で、恋愛部分。
やはりこれが一番注目すべきところです♪
あくまで私の感想なので個人的見解なのですが・・・
読めば読むほどふたりの印象が違っていたことに、私はガンガン引き寄せられてしまったんですねぇ。
それは強引で余裕たっぷりの攻めかと思った前原が、意外といつも余裕なくてハァハァ言ってるところや、流されてやられっぱなしかと思っていた弘が、これまた意外と前原を誘うわ煽るわで積極的だったことです(〃∇〃)
このキャラ展開は非常~っに興味深かったです。
読み進めていると・・・前原より弘の方が照れ屋でクール、弘より前原のほうが甘えんぼで激情家でした。
仕事っぷりも併せて考えると、もうそりゃ意外。
普段は上からも下からも信頼されて落ち着き払っている前原と、「品証のべっぴんさん」なんて言われて遊ばれている弘ですからね・・・。

それと一番印象深かったのが、弘が仕事と恋愛の線引きに悩んでいた点です。
親密にする事と馴れ合う事の違いをここまで真剣に考えるのは、やはり「男」ならではの反応だなと。
どこまでいっても職業人でありたいという、それは女性とは違う感覚だと思います。
だから抱かれることへの苦悩ではなく、仕事に対する責任とプライドを、前原と付き合いながらどこまで保てるのかという、そういった思考って男性だなあ・・・と感じると同時に、それを理解していた烏城さんに脱帽だったんですが(*・ω・)
男女ものなら成立しない物語ですよね、きっと。

なのでこのシリーズ、ぜひ働く女性に読んでいただきたいなあと思います。
すごく共感できる部分が多いですから。
あ、もちろんエロもしっかりですよ♪
表現的に下品でないくせに、ごっつえろいんです。
しかしまあ、あんなに早い攻めも珍しいし、あれだけ天然に誘う受けも久しぶりに見ました。
読みながら、あら前原って早漏なの?と思ったことはナイショですよ☆

許可証しおり使用中(すごい好きやん)
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COMMENT (10) 

普通の男/普通の恋 ~ 榎田尤利

2007.04.02 *Mon
久しぶりにドキドキした・・・(〃∇〃)
それがこの2冊を読んだ率直な感想です。
榎田さんにしてはと言うよりも、今どきのBLにしてはあまりにも純な物語で、ベタなんだけど恋愛小説を読んだな~という、さわやかな読後感でいっぱいでした。

舞台はビジネス関連書籍が専門のビジネス新報社という出版社で、メインのふたりは営業と新人編集者の関係です。
「普通」にこだわり自分の気持ちに「自然」になれないふたりを描いた『普通の男(ひと)』。
心のままに「自然」に相手を想う気持ちが、自分にとって「普通」なんだと気づいたその後のふたりを描いた『普通の恋』。
一応どちらから読んでも大丈夫ですが、できれば順番に読んでいただいたほうが、まどろっこしい男どもの心情が追えていいかもしれません。
宮本佳野さんの挿絵もほんのり色っぽくて、榎田さんとの相性は相変わらずバッチリです。

榎田さんと言えば佳野さんです。


このシリーズ、あろうことか1作目では互いに互いの気持ちを認識したところで終わっています。
そしてメインの的場宗憲と花島光也の初めては『普通の恋』の最後のみ・・・。
そこに至るまでああでもないこうでもないと、2冊分しっかりぐるぐる悩んでくれてます。
と言うのも、的場も花島も元々ストレートな嗜好の持ち主。
しかも38歳に32歳と、社会的にはそこそこいい年の男たちです。
そのふたりが同性を好きになるという過程を、読み手に不自然さを感じさせることなく描こうとすれば、やっぱりそれくらいの量はいるでしょうね。
そしてそれがするり(と私には感じてしまう)と書けるのはやはり榎田尤利だからだと思います。

揺れ惑うふたりの心情を追っていた1作目に比べて、すれ違い・勘違い・トラブルなどのお決まりエピソードを投入しながら次の段階へ進もうとするふたりを描いた2作目は、造り的にやや簡単かな?という感じもしますけども、読んでいる時はそんなに気にもならず夢中でした。
バツイチで頭が固そうに見えていた的場が、意外と積極的に花島に迫るムッツリだったり、負けん気が強くて性に奔放かと思っていた花島が、これまた意外と照れ屋で引っ込み思案でウジウジしていたり・・・それにベッドの中では上になるとばかり思い込んでいたことを反省する的場や、行為に関して心と体の予習をしていた花島などなど。
他のBL作品ではスルーされがちな部分をきちんと取り上げていたり、「普通」というキーワードに絡めてゲイに対する間違った知識や偏見を登場人物の口を借りて言わせてみたりと、マイノリティに対する作者の真剣な姿勢というのがとても窺えました。
もうその辺りはお見事な榎田節で綴られています。
全く飽きさせません。

また脇キャラが主役に負けないくらい個性的なのも、オススメなところです。
花島の友人・若宮に、若宮の従兄弟でゲイバーの店長・幸輝と、店員のミクちゃん。
そして幸輝の恋人・西岡イズミ。
また的場の元妻・朋香に、花島に迫るゲイの経済学者・青野。
これらの面々が的場と花島を、時には励まし、時には叱咤し、時には邪魔し・・・。
個人的にはゲイバーのママである幸輝と、その恋人イズミのカプが好きです。
イズミはとても真面目な公務員。
事あるごとに荒っぽいに幸輝に泣かされているというのに、それでも一緒にいるところをみると、相性がいいんでしょうねえ。
口は悪そうだけれども、きっとあったかい人なんだろうなあ幸輝って・・・などと、ふと妄想をはせてみたりして。

これが一番色っぽくてステキ(*・ω・)(・ω・*)♪
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的場と花島ふたりの恋愛に絡めて、出版業界のこともとてもうまく織り交ぜられてます。
へえ本ってこういう過程でつくられて流通するんだな~と初めて知ったこともあり、そういう意味でも興味深く読み進められました。
世間的には『普通の恋』がありきたりなエピソードばかりの詰め込みで、ちょっとイマイチ的な評もあるのですが、これはきっと榎田尤利だからこそなんじゃないのかなとも思っています。
いつも一定レベル以上のものをコンスタントに書かれるので、読むほうもついつい上を求めてしまう・・・そんな作家さんじゃなかろうかと。

このシリーズは筋やエピソードの面白さよりも、ぐるぐるするふたりの心情を追うことにたまらない高揚感を得られる作品だと思います。
それはまるで子供のように拙く不器用な恋愛。
読み始めて数ページで挿入しているBLとは、ちょいと趣きが違いますね(それもスキだけど・・・)。
だからここで私がくだくだと書いても、この作品の良さは半分も伝わらないような気がしてます。
『普通の男』の方がやや入手しにくいかもしれませんが、やはり『普通の恋』とセットで読んでみて欲しいです。
まどろっこしい男たちがゆっくりと距離を埋めてゆく様に、絶対にドキドキします。
保証いたしますよ!(言い切った!)
COMMENT (4) 

初恋 ~ 水原とほる

2007.03.07 *Wed
水原さんにしては甘く、そしてまるでメロドラマのようなストーリーでした。
本当の意味での悪人はひとりも出てこず、皆が誠実で真摯でした。
こういうありきたりで先の見えるお話は、下手すると猛烈につまんなくて読めたものじゃないのですが、そこはしっかり描き読ませてくれてます。
うむむ、さすが水原とほると言うべきか。
ただ私はこの手の恋に翻弄される主人公がタイプ的に好きではないので、感情移入はし辛く始終イライラしておりました。
これは作品の良し悪しではなく、キャラにおける萌え萎えの問題・・・。

このイライラは前にも感じたことがある・・・と読み進めながら思い出したのが、矢沢あいの『NANA』に登場するヒロインの小松奈々。
「共感しちゃう」「けっこうスキ」という意見を耳にした時は、ええええええ?!と驚いていたんだけれども、誰からも無条件に愛されるヒロイン体質は、意外と皆さんお好みなのか・・・。

【あらすじ転載】
港町で育った多伎にはふたりの親友がいた。
無口だが包容力のある洋人と、裕福な家庭に育ちストレートに愛情を表す隆晴だ。
生まれも育ちもばらばらの三人だったが、多伎を中心に三人はいつも一緒にいた。
だがある日、隆晴が多伎に気持ちを告げたときから、三人のバランスは崩れてしまい!?
縛りつける愛と、包み込む愛。
ふたつの愛の間で揺れる想いを描いた水原とほる待望の新作登場。

裏表紙に追いやられた隆晴が切ない・・・。
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お話は簡潔に言うと・・・幼なじみ3人が十数年にわたって繰り広げる昼メロ風愛憎劇です。
主人公は私生児で母親と二人暮らしの多伎(後に教師)。
そして多伎が密かに想いを寄せていたのが、地元漁師の息子・洋人(後に漁師)。
けれども強烈な独占欲で多伎をものにしたのが、地元名士の息子・隆晴(後に医者)。
で、本当は洋人も多伎のことが好きだったんだけれども、口下手も手伝って想いを告げるチャンスがなく、もたもたしている内に隆晴に先を越されてしまったという図式になります。

この相関関係だと医者×教師は早々に破局して、漁師×教師だな・・・と思っていたのですが、作品中の大半が隆晴と多伎のお話でした。
ちょ、ちょっと・・いつになったら洋人と多伎は結ばれるのん?と心配になるくらい、隆晴の執着ぶりと多伎の乙女具合がこんこんと綴られてました。
まあそれはそれで昼ドラみたいで面白かったんですが。
野心家の隆晴は地位も名誉も、そして多伎も手に入れようと、形だけの結婚をして多伎を愛人として囲うのですが、子供が出来てしまったあたりから雲行きは一気に怪しくなります。
結局そんな歪な関係は続くはずもなく、多伎から別れを告げられてしまいジ・エンド。
そして自由の身になった多伎は、故郷の港町へ戻り洋人と想いを通じ合わせる・・・というのが、ストーリーの顛末です。
収まるべきところへ収まり、ハッピーエンド。
ハッピー?
うーん、どうも釈然としない感じ・・・。

片岡ケイコさんの挿絵、繊細なタッチでとても美しかったです☆
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隆晴は確かに偏った形ではあったけれど、それも全身全霊で多伎を愛していたからこそであり、洋人についても寡黙でありながら、時には激しく多伎への愛情を見せたりする部分が好きでした。
しかしそのふたりに愛される多伎がなあ・・・というのが最終的な感想。
う~む、やっぱり私は多伎が駄目みたいです・・・(つд⊂)
それは彼自身の独白にもあったように、与えられ施されるばかりの存在。
隆晴の多伎に対するひどい執着心を育ててしまったのは、愛される心地よさに溺れるだけで、彼を本当の意味できちんと愛してあげなかった多伎自身の責でもあるはず・・・というのは言い過ぎでしょうか。

コイツが女だったら絶対に隆晴の子供を身篭ったまま洋人のところへ行って、洋人も3人で生きていこうとか言うんだよ、キーー!!・・・と、まあ勝手な妄想に耽ってしまうくらい、私は多伎が苦手みたいですね。とほほ。
今回は多伎が男だっただけに身ひとつで洋人の元へ行ったから良かったようなものの、これ普通の男女モノだったら『NANA』のように読んでられないですね、多分。
しかし考えれば考えるほど、私は隆晴が不憫でならないんですけども。
初恋の叶ったふたりは良いとしても、長年もの間、独占欲と嫉妬心に苛まれ続けた挙句、『俺達はずっと夢を見ていたんだよ』と多伎に告げられて終わってしまった隆晴の初恋って一体・・・。
きっと多伎と過ごした十数年、いくら体を繋いでも隆晴は片思いのままだったんだろうなぁとしんみり。

・・・とまあ、これだけ何だかんだ言いながら、結構夢中になって読んでたんですけどもね(笑)
それと私がこの作品を酷評できないのは、その舞台の中心が港町だからかもしれません。
多伎の瞳と同じ蒼を湛える海の色と、洋人をいつも包んでいる潮の香り。
なぜだか田舎の海は大好きです。
今回の感想はそんな超個人的で勝手な理由ばかりなので、この作品が気になる方はぜひご自分で読んで確認してみてくださいませ。
あれれれれ・・・多伎にこれだけケチをつけながら、結構気に入っちゃったりしてるのかしらねえ、もしかして ♪~(´ε` )
COMMENT (6) 

青春残酷物語 ~ 菅野彰

2007.02.28 *Wed
前に読んだ「17才」という短編に出てきた八隅と司馬の10年後のようなお話でした。
もちろん続編ではなく全く別モノなのですが、17才の時に友人以上の気持ちをお互いに抱きながら、心中未遂に至った過去を持つ、そんなふたりが再会する物語です。

【あらすじ転載】
まるで災厄のように、過去からやってきた男。
美大の講師をしながら彫塑をやっている守衛哲朗のもとに、突然現れた男。
―それは、現アイドル俳優、そしてかつての恋人・遊佐晴親だった。
十年前、二人は言葉もかわさず、白い雪の中をただ歩いていた。
戻る意志もないまま…。
一度も肌を重ねたことのない、決して忘れたことのない「恋人」。
だがすっかりノーテンキになった彼は今、殺人犯として追われていて…。

菅野さんといえば・・・挿絵は二宮さんか麻生さんがやっぱりいいかも。


厳密に言うと「17才」とはちょっと違うふたりです。
司馬は八隅に心の闇から救い上げられたけれども、哲朗と晴親の場合は、寸でのところで哲朗の気持ちが及び腰になってしまった事もあり、互いにどうしようもない胸のつかえを感じたまま10年の時を刻むこととなります。
ああ、これって秀と大河のパターンと同じですね。
外の世界を怖がる子供のような潔癖さと、その手を取ってやれなかった後悔。
やはり菅野さんという人は、同じ事を何度も繰り返しモチーフにするんだなあと納得・・・。

ネタバレすると、事務所の社長にナイフを向けたのは社長の甥っ子である有希がやった事でした。
彼もまたその若さゆえの心の潔癖さが高じて、つい感情を高ぶらせてしまった故の行動だったのですが、晴親は有希に過去の自分を見た思いがし、哲朗の元へ行く決心が固まります。
再会した後、互いに気持ちを確かめ合ったふたりを阻むものは何もなく、10年経ったからこそ哲朗は晴親の手をしっかり取って一緒に生きていこうと思えるようになったと言い、晴親は全てを傷つけても哲朗にだけは生きていて欲しかったと言い・・・なんだか菅野ワールドに出てくるヤツらは、いくつであろうが青春真っ只中なんだなあ、コレが。
そういう青さが好きな人間には癖になるのが菅野作品かもです。

そして特筆すべきは哲朗と晴親のいちゃいちゃ具合。
もちろん菅野さんなので朝チュンは基本です。
ええもう、それは清々しすぎて泣けてくるくらいで・・・。
しかしそれ以外は昼間から、べたべたらぶらぶちゅっちゅとやりまくってます。
直接的な濡れ場を読みすぎた後だというのに、非常にドキドキしている自分がいました(笑)
やはり日本人はチラ見せ文化ですよ。
肝心なところは見せないほうがやらしいのだよ!

やはりちょっと古くささはあるかしら・・・。
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あとがきに書かれていたのですが、菅野さんは彫塑に関わるお仕事をしていたとか。
おお、芸術家だったんですね~。
彼女その感覚に訴えてくるような筆致の理由はそこにあるのかしら。
ハッキリとした結末をもたない、何とも言えないもやもや感・・・それは菅野さん自身が答えを出せないでいるからかもしれないのですが、私はそのぼんやりトーンが大好きだったりします。
最近の激しめBLにゲップが出てきそうな時には、この方の作品は良いかもしれませんね。
胃薬みたいなもんです、私にとっては。
COMMENT (2) 

「夜夜の月」「青水無月」 ~ 水原とほる

2007.02.27 *Tue
「窓」「徒花」に引き続き、水原とほるさんを集中的に読んでます。
やはり私はこの方の筆致がかなり好みです。
なので文章がすっと体に入ってきます。
それは言葉の使い方であったり、台詞回しであったり・・・とは言うものの、全てのお話に萌えるのかと言うと、まあそこは別のハナシで(笑)
今回チョイスしたのは「夜夜の月」と「青水無月」。
どちらも力にものを言わせて相手を屈服させるタイプの、非常に暴力的な攻め様でした。
そして受けちゃんは泣きながらもそれに溺れ、最終的には離れられなくなっちゃうという。
ん・・・水原さんの好きパターンかしら?
暴力シーンになると特に生き生きとした筆づかいになるのは、気のせいではないはずです。

「夜夜の月」
画商×画家
【あらすじ転載】
家庭の事情で美大を中退した神原亮は、生活のために仕事探しながらも、絵への未練を捨てきれないでいた。
そんな時、業界でも有名な画商の澤と出会う。
澤は亮が描きたいものを描き、画家として稼げるようになるまで生活費も含めて面倒を見てやると言う。
その代わりに出された条件は、澤が望むときにいつでも身体を差し出す「愛人」になることだった。
悩みながらも、どうしても絵を諦められない亮は澤と「愛人契約」を交わしてしまう。
しかし、澤は画商として誰よりも優秀な目を持ちながら、絵をまったく愛さない男だった。
そんな澤の中に、過去の暗い影を見た亮は…。
絵を愛せない画商と、絵しか愛せない画家。
それでも惹かれあう二人の狂おしい恋物語。

町田九里さんはお初です。すごい線が細くてキレイ☆
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普通出版社からの公式あらすじだけでは物語の全貌は掴みにくいものなんですが(解釈が間違っているものもたまにある・・・)、これに関してはほぼパーフェクトです。
ええ・・ほんとにこういうお話です。
付け加えるならば澤が絵を愛せなくなったのは、絵画収集で財産をなくした上に自殺をした父親と、それを追って逝ってしまった母親への憎しみが原因。
しかしこうも簡潔にあらすじをだけで語れてしまうというのも、愛想がないというかなんと言うか(笑)
筋立てに対する仕掛けが先行しすぎてるのかしら・・・このお話って。
なので肝心のふたりが心を通わせる部分が、私ににとっては若干弱く感じてしまいました。
澤の亮に対する執着ぶりと、澤を受け入れるに至った亮の気持ちの移り変わりが、いまいちピンとこない・・・どうしてこのふたり、こんなに惹かれあってんだ?と、読み終わったあと暫しぼんやり。
なんだ私の読み込みが甘いのか!?むむむ。

「青水無月」
弟×兄
【あらすじ転載】
「兄さんが、欲しくてたまらない」
両親の離婚で離れ離れになった弟・達也と十年ぶりに再会した陸実。
医療機器メーカー勤務の陸実は、父が死に、身寄りをなくした学生の達也と同居することになった。
陸実は兄弟の失った時間を取り戻そうとするが、その晩突然達也に荒々しく身体を開かれてしまう。
それ以来夜ごと一方的に陸実を犯しながらも、翌朝は別人のように優しく接してくる達也。
陸実は達也のその不安定さを放っておけなくなり…。

ちびっ子たちのほうが萌え・・・
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腹違いとか種違いとか親同士が再婚とか・・・そんな甘いものではありませんでした。
ガチで兄弟でした。
おおお・・・。
読めましたけども、やはり近親相姦に私のツボはありませんでした。
すごく現実味のないお話(と、脳が感じようとしている?)で、全てが心を上滑りしてゆくようでした。
やはり最低限、他人でヨロシク!なのです。

とは言いつつ、みっちり全部読みきったわけですが。
特に納得いかなかったのが、受けである兄の陸実です。
肉親という部分を抜きにしても、彼の思考が私には理解不能でした。
DVに走り実の兄を犯りまくる達也も頭がどうにかなっちゃってるんだと思いますが、それ以上に全ての事を自分ひとりで背負って悲劇の主人公になりきっていた陸実がちょっと・・・。
幼い頃に弟の手を離してしまったことや、再会した後も彼の心の渇きを癒してやれないこと全てが自分のせいだと思っちゃってます。
えええっ、そうなの?
それって少し違うのでは・・・。
その内に弟に心身ともに依存していく兄の狂気と、弟の兄へ対する尋常ではない執着心が絡み合い、互いが互いを貪り喰らうような不毛な関係になったところで物語は閉じられます。
「彼らが幸せならばそれでいいじゃないの」と水原さんもおっしゃってるので、まあいいんでしょうコレで・・・ね。

2作読んで思ったのが、受けが流されすぎ!ってことです。
もっと自分の意思でもって相手を愛してあげて欲しいじょ!
「徒花」はそういった意味では、受けが積極的に攻めを愛していたのでよかったなぁ~と。
そんな事を言いつつ、水原節がだんだん癖になってきている感じです。
次は何を読んでみようかしら、わくわく。
COMMENT (4) 

徒花 ~ 水原とほる

2007.02.20 *Tue
最近、水原とほるさんにハマりかけているので、既刊のものを数冊購入してみました。
さあどれから読もうかと迷いつつ、またまたlucindaさんのオススメ『徒花』をチョイス。
mikuさんオススメの「青水無月」は近親相姦モノだったので、つ・・・次にしよ・・・。
「窓」の時も思ったのですが、この方のタイトルのつけ方はとても好きです。
今回も読み進むにつれて「徒花」の持つ意味と登場人物たちの人生が重なり、何とも言えず切ない気持ちになりました。
ちなみに「徒花(あだばな)」とは・・・

・咲いても実を結ばずに散る花。むだ花。
・季節はずれに咲く花。
・はかなく散る桜花。あだざくら。

ヤクザものか~!と実は敬遠してました。


サラリーマンの佐伯和彦は、高校時代に想いを寄せていた赤澤修と、偶然に9年振りの再会を果たします。
赤澤は暴力団の構成員となっていたのですが、この機会を逃したくなかった和彦は、半ば強引に赤澤との接点を持とうとし、せめて友人でもいいので彼の傍にいたいと願うようになります。
表紙イラストを見たときは、うわ~弱そうな受けちゃんだわと思ったのですが、意外や意外。
すごく積極的で、精神的にオトナでした。
片や粗暴で強引な赤澤は、実は押しに弱く子供っぽい面があり、それは普段の力関係とは全く逆になるので、素のふたりというのはくすぐったいような甘~い雰囲気が漂ってましたね。

そして体を重ねるうちに、やはり友人などではなく恋人になりたいと貪欲になってしまう和彦。
その心情がモノローグで切々と綴られてゆくのですが、これがまた細やかでいて情熱的。
赤澤を欲しがる心の描写や台詞も非常に生々しく、こりゃまた素敵な作家さんに出くわしたなあと、私は静かにほくそえんでおりました( ´ー`)

完全にヤクザとイロですね・・・。
DSC0053002.jpg

エロもこの方、半端じゃないです。
木原さんのCOLDシリーズもDVがなかなかえげつなかったですが、レベルというか質が違いましたよ。
その辺りを受け付けられない方は、水原さん読めないと思います。
終盤、酔った赤澤が漏らした麻薬取引の情報を、彼のためだと信じて和彦は警察に密告するわけですが、これが猛烈に赤澤の怒りを買ってしまいます。
まあそりゃそうだよな・・・。

その為に和彦はおとし前をつけさせられるのですが、ここからがスゴイんです。
苦手な人は本当に注意です。
レイプに注射にフィストにエネマと、陵辱の限りを尽くされる様子は読んでいてもアイタタタ~!となっちゃいます。
フィストは途中で赤澤が止めましたけども、けども、けども・・・(つд⊂)オウ

紆余曲折を経て、赤澤は和彦のために組を抜ける決心をしますが、その代わりに最後の奉公として身代わりで服役することになってしまいます。
その直前に赤澤が残していった短い手紙があるんですけども、これが素朴ですごく胸にズシンとくるんです。はい。
そこには赤澤の苦悩・決意・戸惑いの気持ちが、飾らずそのままの言葉で綴られており、最後は「そばにいてくれて嬉しかった」という言葉で締めくくられています。
まあこの時点で水原祭りを開催しようと決意したんですけどもね。ええ、ええ。

坊主頭になっても、ますます侠気溢れるアニキ。
DSC0053101.jpg

和彦と赤澤は確かに徒花ではあったけども、ふたり共に行くことで、そして互いに互いを必要とし合うことで、徒花ではない存在になり得たのではないかしら。
何の実がなったのか・・・それは言葉にするにはあまりに陳腐なので割愛しますけども。
『人のためになれないのなら、せめて人の害にならずに生きていきたい』
高校生の頃からそんな事を思いながら生きてきた男がやっと掴んだ幸せに、おばちゃんちょっと泣きそうになったよ。もう。

ケツの痛みも忘れるくらい、とっても素敵なラブストーリーでしたよ♪
大満足でした。
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窓 ~ 水原とほる

2007.02.16 *Fri
表紙の奈良千春さんに惹かれて手に取った『窓』。
円陣闇丸さんと肩を並べる美麗イラストの奈良絵には、いつもついつい目が行きます。
ということで、初・水原作品です。
以前から濃厚だと聞いていたので、気にはなっていました。
ふとレーベルを確認すると、ピアスノベルズ・・・そりゃハードだわな。
収録は表題作の「窓」を含む「温い血」「秘密」「黄色い花」の4編。
シンプルなタイトルのつけ方も非常に好みです。

この緑の色合いが好き。


「窓」
・西村隆明(年下)×大庭保(年上)【リーマン同士・高校の同窓生】
暴力で支配されていたはずが、いつしかその関係に溺れてしまい離れられなくなってしまうお話。
加害者に共感という意味においては、厳密ではないけどもストックホルム症候群に近いのん?と思ってしまいましたよ。
ちょっと病的な雰囲気でした。

「温い血」
・俊和(叔父)×和己(甥)
近親相姦って絶対にムリだったんですが、なんかその壁を越えた気がしました・・・。
親から得られない愛情を叔父から与えられている内に、いつの間にか本気で愛しちゃっていたのよ、というお話。
でも叔父さんは初めからその気だったようです。
和己が従順でかわゆいね。

「秘密」
・公一×薫(高校生)/雅弘×薫
※公一・雅弘【タチ同士のSカップル】
精神的には恋人なんだけども、体を繋ぐことが出来ない公一と雅弘。
その代わりに同じ人間を共有することで、自分たちも擬似的にではあるけども繋がる感覚になれるらしいです。
そんなふたりに、とある経緯から抱かれることになった高校生の薫。
強烈な体験だったにもかかわらず、自分をさらけ出せる人間を初めて見つけ、奇妙な三角関係に身を委ねてゆくというお話。
3人で欠けた部分を埋めあっているような関係でしょうか。
ある意味、薫はかなしい子供だと思いました。

「黄色い花」
・隆一(美大生)×水口旭(高校生)
※水口藤人(画家・父)×水口旭(モデル・息子)
実の親子でありながら、特別な感情をお互いに持っている藤人と旭。
抱き合えないふたりの代わりに、息子の旭を父の藤人の目の前で抱くことになってしまった美大生・隆一の奇妙な体験です。
「秘密」とは似ているようで全く違い、隆一は完全に道具的存在のために、読了後は非常に侘しさが残るお話でした。

挿絵の9割がピー!な内容でした(((´ω` *)
DSC0050301.jpg

甲乙つけがたいのですが、選ぶならば「温い血」か「秘密」かしら~♪
何だか・・・だんだん自分の中でタブーがなくなっていくような気がしてます。
こりゃ久しぶりにハマりそうですよ。
他がどんなタッチのものかわからないのですが、とりあえず数冊読んでみたいとは思ってます。
閉鎖的で陰鬱でねっとり粘着系です。
しかもSM的な描写も多いので、好き嫌いが分かれるかもしれませんね。
焼印、首輪、縛り、スパンキング、言葉責め、スカトロと出るわ出るわのハードプレイに加えて、近親相姦にレイプともう何でもござれでした。

読みながら感じた各話共通キーワードは「支配」「独占」「執着」「繋がり」。
うーむ・・・これって恋した相手に抱く欲求に似てるかもです。
ちょっと過激ではありますけども、これらも愛のカタチなのかしら。
でもやはり男同士だから読めるんであって、相手が女性だったら読んでられないですよ、こんなの。
DVでもレイプでもSMでも、相手が男だったらわりとすんなり読めちゃうんですけどね・・・。
これぞほもまじっく。

ところでこの作品、挿絵が台詞つきという非常に奇妙なスタイルとなっております。
もうすごいえろくてステキなイラストばかりなんですけどね・・・なんだかちょっと間が抜けたように感じるのは私だけでしょうか。
ふ、普通の挿絵だったらすごい良かったのに・・・( ノ゚Д゚)ボソ
とにかく水原とほるさん、私の中で大注目です。
早く他の作品も読んでみたい☆
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向こうの縮れた亜鉛の雲へ ~ 菅野彰

2006.12.25 *Mon
最近コミックスにばかり走っていたので、たまには小説をと思い大好きな菅野彰さんをチョイスしてみました。
以前にレビューした短編集「17才」に、同時収録されている「向こうの縮れた亜鉛の雲へ」。
タイトルが独特だなあと思っていたら、宮沢賢治からだったんですね。
やはりこの人って、文学的な雰囲気をまとってらっしゃるわ~。
そして挿絵は坂井久仁江(国枝彩香)さん。
繊細なタッチが大好きで、この方の作品もみっちり読んでみたいと思ってます。

徭は晴天・秀とダブります。


登場人物は弓田英一と、その幼なじみの親戚・弓田徭。
お互い自分の居場所を無くした時に再会し、その後どうしようもなく惹かれあってゆくふたりを描いた物語です。
英一は足を駄目にした陸上選手、そして徭は女生徒と問題を起こし学校を追われた教師です。
菅野さんお得意である、ぐるぐる感いっぱいの叙情的な文章なので、ちょっと苦手な方もいるかもしれませんねー。
ご本人のあとがきにもあるのですが、菅野さんの描く物語にはよく同じテーマや想いが見え隠れしているようです。
その中のひとつに『他人の欲しがるものはわかるのに、自分が欲しているものがわからない人間』というものがあります。
今回だとそれは徭であり、晴天シリーズでは秀に当たります。
もっと他にもいるかもしれませんが、読み込んでいる最中なので現時点では不明。
でもきっと描かれているんだと思います。
彼女の中でこのテーマが昇華されるまで、こういったキャラは毎度のごとく悩み続けるんでしょうね。

普通は『自分が欲するものはわかっても、他人が欲しがっているものはわからない人間』が殆どで、そのわからない同士の他人が、相手を慮りながら生きてゆくのが人と人との繋がりのはず。
でも徭や秀のような人間と付き合うと、自分の痛みは癒されるのに相手の心が全く見えないことに途中で気づいてしまい、結果疑心暗鬼になり別れてゆくパターン。
本人もいくら他人に尽くしても心が癒されないので、他人と深く関わるのを避けたくなってしまう・・・でもまた別の他人の痛みや欲に的確に触れてしまう・・・。
秀が一見、多情に見えたのはそのせいだったのか、と改めて気づきました。

英一も徭に身も心も慰められることで、初めは夢中になってしまうのですが、それが愛情からくるものではないと気づいたときから、彼と距離を置くようになってしまいます。
一方、徭は他人に求められることに疲れを感じ、ただ飼われるような関係を自ら望むようになってしまいます。
英一はその離れた時間の中で、ようやく徭の本質に気づくこととなります。
このお話を読めば読むほど、秀とリンクしている部分が多すぎて、とても新鮮でした。
勇太も秀に対して初めは特別な感情を持っていたはずなんだけども、彼も頭が良い子だったから、次第にその違和感に気づき、そして秀の本当に欲しいものを与えてやれるのは自分ではないと悟ったんだと思います。
全く別のお話で、全く別のキャラなんだけれども、言ってることやってることはまるで同じ。
「幸せというものは、自分の目の前を通り過ぎてゆくものだと思っていた」と言って泣いた秀の言葉がぴったり徭と重なり、非常に興味深く読み進めてしまいました。

うむむ。
これは菅野さんコンプしないといけないですよ。
晴天シリーズを読み解くにあたり、他の作品もとっても参考になりそうですね。
やはりこの作家さん、目が離せないですわ。
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毎日晴天! ~ 菅野彰/二宮悦巳

2006.10.18 *Wed
記事にあげようと思いながらついつい後回しになっていた「毎日晴天!シリーズ」の第一作目です。
タイトルもそのまんま『毎日晴天!』。
よくよく表紙を見て、大河と秀がこのシリーズの主人公だったんだと気がつきました。
だってあまりにも弟たちに先を越されまくっているヘタレカプ(奥手とも言うが)だったので、はっきり言って忘れかけてました。

文庫表紙。若々しいふたり。


コミックス表紙。あっ、やっぱり大河と秀が主役だった!


SF雑誌の編集者・帯刀大河(おびなた・たいが)×遅筆のSF作家・阿蘇芳秀(あすおう・しゅう)は高校時代の同級生で曰くつきの仲。
高校3年の冬の日を最後に、口も利かずに卒業してしまったふたりは、数年後に担当と作家という形で接点を持つようになります。
そして更に数年後、秀は大河の姉・志麻と結婚したと言い、養子の勇太を連れて帯刀家へやって来ます。
しかし志麻と秀は籍が入ってなかったことが判明。
と言うか、もともと結婚なんてする気もなかったようで・・・。
それは人の心に聡い姉が秀と大河のために仕組んだことで、また自分も帯刀家から飛び出すいい機会としてしまいます。

そんなこんなで男所帯の帯刀家。
ここで2組のカップル・・・大河×秀、そして勇太×帯刀家の末っ子・真弓が出来ちゃうわけですが、子供たちはまた次の機会に。
それよりここは大人たちがじれったくて、本当にイライラします。
相手の心にどう触れたらいいのか、相手がどうして欲しがっているのかが、高校生の頃から互いに理解できずにいるようで、いつまで経ってもギクシャクの空回りです。

いい歳をした男たちのこのぐるぐる感が、おぼこくて私は結構好きなんですが、やはり人気は勇太と真弓のカップルみたいですね。
このふたりは歳の割りに中身が随分と大人びており頭も良いので、色々と決断が早い(笑)
しかし肝心の大人カプたちは、あーでもないこーでもないと、互いに距離を置きながら様子見ばかり。
作者の菅野さんも仰っているように、秀の頭の中が宇宙のようなので彼女自身も「何を考えているんだろう」と思ってしまうんだそうです。
そりゃ単細胞の大河が理解するのには、とてつもなく時間がかかるでしょうね~。

とても好きなヒトコマ。秀にはこういう顔も見せる勇太。


秀は不幸な家庭環境から、幸せの形を知らずにいたんだと思います。
相手に施すことだけでそれが得られると思っていたのは、勇太を引き取った部分にあらわれているような気が・・・。
それでいて自分の心は一切閉じたまま。
そこに強烈な違和感を感じた大河に、一度は突き放されてしまったわけですが、大河だってそれがよく分からなかったものだから、やっぱり秀が心残りでぐるぐるぐるぐる。

6年経って、周りに背中を押されて、やっとこさ意思の疎通が取れたふたりは結局・・・チュウしかしてません。
BLとしてはあるまじき展開!
でもいいんです。
この清純具合が大人カプのいいところ。
しかし菅野さんが清いままでもいいんじゃないかと仰っていたのには、それだけはヤメテー!と思いましたですよ。

まあこの先、多くの苦労(帯刀家のギャラリーたち)を乗り越えて、後々彼らも結ばれるのですが・・・本当大変なんですよ。
かわいそう過ぎて、内緒で旅行の手配をしてあげたくなりそうな、そんなお気の毒な大人カプたちからは目が離せません☆
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17才 ~ 菅野彰

2006.08.26 *Sat
「毎日晴天!」シリーズの菅野彰さんの著書で、タイトルに惹かれて読み始めました。
だって17才・・・大好物なんだもん。
登場人物は高校三年生の八隅と司馬で陸上部所属。
初めは司馬が八隅を襲うようにして体を繋げたのですが、そこからずるずると関係は切れないままで、今に至る二人です。
わがまま奔放な攻め様に対して、多くを語らず包んであげる受けちゃんの構図。
好きです。すきすき。モロ好み。

進学のために部活を引退した八隅に対して、まだ走り続けている司馬は、苛立ちと寂しさの入り混じった態度を見せ始めるようになります。
一応恋人同士・・・なのかな。
しかし甘い部分よりも、どうすんねん、どうしたいねん、この先俺たち?的な、先の見えない浮遊感の方が大きい二人。好きを形にできずに、もがいている姿は、読んでいても痛々しかったです。

そんな八隅と司馬は二人きりになりたくて、遠出をします。
それが心中の旅になってしまいそうな予感を秘めながらも、何とか二人は踏みとどまり、違いの想いをはっきりと解り合うこととなります。司馬が心の闇に飲まれて死にたいと揺らいでいる時、それを丸ごと包んであげようと決意した八隅がとてもきれいでした。

「泣かないで」と司馬を抱きしめる八隅。


菅野さんの作品はストーリーもさることながら、言葉や描写に情感があるので、すごくお気に入りです。
風景描写に色と匂いと光があり、言葉もきちんと吟味されているので無駄がなく、行間も読ませてくれる・・・きっとこういうものが小説というものなんだろうと思います。
漫画の台詞のようなものを並び立て、ストーリーが破綻している作品も多い中、こういう作家さんにこそBL界を支えていってほしいなぁと節に願う次第で。
菅野作品、まだまだ未読のものが多いので、ガツガツ読んでいく所存であります!
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犬ほど素敵な商売はない ~ 榎田尤利

2006.08.23 *Wed
カバーイラストと内容紹介文だけで、調教!主従!SM!と小躍りしてました。

『自覚のあるろくでなし・三浦倖夫は、うだるように暑い夏のある日、会員制のデートクラブ「Pet Lovers」から「犬」として、寡黙で美しい男・轡田の屋敷に派遣される。そこで倖夫を待っていたのは厳格な主人轡田の厳しい躾の日々だった。』

これを見たら鬼畜様だと思うよね・・・。


しかし内容は、私の予想とは全く違ってました。
冒頭ページの1節・・・
「さみしくてさみしくて気が狂いそうだったので、 犬を飼うことにした。」
これが全てでした。

雇い主の轡田はわんわんプレイなどという甘っちょろいものではなく、ドッグトレーナー並みの躾を人間の倖夫に行います。それはSMプレイの方がずっと楽じゃないのか、と思わせるほどの徹底振り。
「首輪をつける」
「喋らない」
「四つん這いでいること」
「sit,up,down,stayなどの命令コマンドに従う」
これは基本です。
その他にもボール遊びをさせられたり、水を飲むのも直接皿からだったり・・・ちょっと読んでいてしんどくなってしまうほどの描写は、さすがというべきなんでしょうか。

結局のところ轡田は目いっぱい与えたくて、倖夫は目いっぱい与えられたい。
そういう部分で引き合うべくして引き合ったラブラブカップルでした、と話を締めれば美しいのですが・・・このお話を読み終わって私は、倖夫の洗脳にも近い依存ぶりに、少し怖さを感じてしまいました。
中でも轡田に罰だと言われて庭に放り出され、雨の中で意識がなくなるまで待ち続けるシーンは、その極致。また言葉を忘れてしまったかのように、アイコンタクトだけで意思疎通する様子も、どうよそれ?と思わずにはいられませんでした。

こんなになっても倖夫は幸せ。むー。


倖夫の轡田に対する従順ぶりは、ただの依存。
また本人もそれを望んでいるところが憐れで、何となく恋愛小説を読んだ気になれませんでした。
しかしながら、人の心の脆さや危うさをここまでガッツリ描けるのは、榎田さんだから出来る芸当であり、決してこの作品の評価を下げるものではないとも思っています。
ただ私の好みとしては、攻め様をすっぽりと包み込んであげられるくらいの度量の広さを受けちゃんには求めているので、倖夫がもう少し大人になったら萌えるストーリーになるんじゃあないかと妄想したりしてますが。
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毎日晴天!シリーズ ~ 菅野彰/二宮悦巳

2006.08.13 *Sun
原作は菅野彰さんの小説で、その後に挿絵の二宮悦巳さんがコミックス化もしている人気シリーズです。
初めは二宮さんの絵に惹かれて数冊購入してみたのですが、これが見事にハマったですよ。
「ひとつ屋根の下」を彷彿とさせる大家族ほも物語で、全体的に描写はライトです。
でもそこはかとなく漂う色っぽい雰囲気が、何とも心地よくて、たまにはこういうのもいいなあと思わせてくれます。
やっぱり日本人はモロ出しより、チラ見え文化ですからね。
あえて描かないことのエロチシズムと、下町の大家族設定がとってもジャパニーズテイストだと思いました。

原作小説は現在11冊が刊行中で、雑誌にはたまに新作が載ったりしているので、まだまだ続いているようです。
私もコミックスを読んだだけで、原作はまだ1冊目の途中なので、まだ色々と感想を言うのはアレなんですが、ざっと確認した限りではコミックスと原作の世界観の乖離は非常に少なく・・・と言うか、全くないと言っていいほどの一心同体な作品ですので、どちらから入ってもらっても大丈夫かなと思います。

帯刀家の面々。


舞台は一女四男の帯刀(おびなた)家。
両親はすでに他界しており、自由奔放な鬼の長女・志麻は失踪中のため、長男の大河が家長として、帯刀家の切り盛りをしてます。
これがすっごいあんちゃんぶりで、まさに江口洋介タイプ。
次男は大学生の明信、三男はボクサーの丈、末っ子は高校生の真弓という家族構成です。そこに志麻の結婚相手として同居することになった阿蘇芳秀(あすおう しゅう)と養い子の勇太。そして志麻の暴走族時代の仲間である花屋の木村龍が、主要登場人物になるかと思います。

その中で大河×秀・勇太×真弓・龍×明信のカップリングがメインなのかな・・・ちらっと読んだところで勇太×秀テイストなシーンもあったような。
たぶん勇太×真弓の子供カプが人気がありそうなんですが、私は大河×秀の大人カプがじれったくて好きですね。
いい歳して全然先に進めない二人(周りが邪魔をする事も多い)が、逆に初々しくって良いんですよ。これが。
中身は意外とこちらの方が子供かも。

襖の向こうで盗み聞きされた上に、こんな感じで邪魔される・・・。
20060813b.jpg

まだ読破していないため細かいところがレビュー出来ないのですが、このシリーズ、あったかストーリーに見せかけて実はとんでもなくシリアスです。
普段はやかましいただの男所帯というだけなんですが、一皮むけば全員がそれぞれの苦悩に苛まれ、息をするのも苦しくなるような、そんなトラウマを抱えながら生きています。
読んでいるとその息苦しさが伝わってきて、BL的な表現が少なくてもちゃんと読めるストーリーだという点では、なかなか秀作だと思います。

ただ一家ほぼ総ほもの帯刀家では、唯一のノーマルである三男・丈だけが子孫を残せる可能性が高いので、ぜひ彼にはかわいいお嫁さんが見つかればなぁと・・・。
だってあとは全員ほもなんだもん。ありえねー!
あ、でも志麻姐もいきなり子供を連れて帰ってきそうですけどね。

濃いものばかりで疲れたなぁ、と思ったときに、これらのシリーズはおススメです。
ぜひ☆


追記 : 読んでる途中の「毎日晴天!」1巻を、実家に忘れたようです。ありゃま・・・あれほんのりほもだから、きっちり読まないと内容は分からないので、良かったですよ。
ふう。
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エス ~ 英田サキ

2006.06.29 *Thu
最近、英田サキさんの「エス」シリーズを読んでいます。
現在3冊が刊行中で、今年中に出る4冊目で完結だそうです。
内容はなかなか硬派で、ヤクザ×刑事の危うい関係を描いてます。
イラストはシリーズを通して、奈良千春さんが担当されているのですが、これがまた素晴しい・・・。
特に2作目で椎葉(受け)が、堰を切ったように泣き出すシーンにはきゅーんとしますです。はい。

もうそりゃオイオイとね。
20060629.jpg

涙と言えば女性の武器のように言われてますが、BLでも受けの精神的女性化で、割と所構わず泣くパターンが多いですね。
正直、そういう涙には全く魅力を感じません。
むしろウザい。
女がぴーぴー泣いているのと変わらないですからね。

しかし男として流す涙には、個人的に非常に胸を衝かれるものがあります。
「エス」の椎葉にしても、人前でえぐえぐと泣くタイプじゃありませんから、絶対に。
そんな男が涙を流してしまうっていうのは、抱えきれない苦しみを吐き出す術がもうそれしかなく、でもそんな姿をさらけ出せるのはただ一人しかいなくて・・・。
あー。ラヴだのう。

もし未読の方がいらしたら、ぜひ「エス」シリーズを読んでみてほしいものです。
ただし明るい学園ものなんかがお好みの方には、かなり重い内容に感じるかもです。
筆致はかなり重厚路線ですので。
でも受けもしっかりとした「漢」として描かれている秀作ですので、機会があればぜひ。
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小説花丸 初夏の号

2006.06.07 *Wed
雑誌自体の作品傾向があまり好みではないのですが、バーバラ片桐さんの『最愛の束縛(後編)』と、樹要さんの『愛で痴れる夜の純情』(原作:鈴木あみ)が読みたかったので、とりあえず購入しました。

バーバラ先生の方は下克上+調教。
苛められていたぶられて・・・でも離れられない、というものです。
お坊ちゃまの生意気ぶりに対する、お目付け役の豹変具合が最高でした♪
んー、やっぱ好きだなぁ。このパターン。
『愛で痴れる~』は時代設定は現代なんですが、舞台が遊郭なので和装が基本。
樹さんの絵がかわいくてとっても好みです。
原作は未読なのですが、ストーリーもなかなか面白そうです。

で。2作品はあっという間に読了。
でもこれじゃあまりにもったいないので、他のものにもぱらぱらと目を通してみると・・・お兄ちゃん?・・・弟・・・?
あら、次のも兄と弟???
表紙を確認してみると・・・「兄弟特集」でした。オーマイガッ!!
すんません、兄弟もの強烈にダメダメなんです。
結局、今回の花丸はほとんど読まずじまいでした。もったいない。

余談ですが、花丸自体の作品カラーは私の好みからやや外れているのですが、新人作家発掘においては、ここはとても熱心だと思います。
「ボーイズラブ小説の書き方」を出したのも花丸編集部です。
昔に比べればBLも浸透してきたと思うのですが、一般的に見るとまだまだマイナージャンル。
やはりいい書き手が不足している業界なので、新しい才能をたくさん見つけだして育ててほしいなぁと、BL好きとしては切に思うわけで。
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枯葉の寝床 ~ 森茉莉

2006.05.05 *Fri
森茉莉と言えば、かの森鴎外の娘として有名な方です。
鴎外は確か・・・学生時代に「舞姫」を授業でやった記憶があります。
当時は“なんだコレ。エリスってやり逃げされただけか?”という感想しか持てず、教材としてはいささか疑問の残る作品だったわけですが、茉莉女史の作品に比べたら普通でした。ブンガクでした。

「枯葉の寝床」は森茉莉が、約45年ほど前に発表した作品ですが、今で言うところのBLです。
でも中身は甘くもなけりゃ、ハッピーエンドでもありません。
愛情と嫉妬が入り乱れて、最後はドロドロのぐちゃぐちゃで終わります。
文章は少し読みづらいのですが、内容に反して描写はキラキラしていて独特の美しさと趣きがあります。

主人公は仏日ハーフの助教授兼小説家・ギラン(38)と、彼に囲われている美少年情夫・レオ(17)。
ギランは男色家の集う店「アルジェ」でレオに一目惚れをしてしまい、彼をサクっとお持ち帰りしてしまいます。
父親の莫大な遺産をバックに、ギランはレオのパトロンとなって、甘やかせ放題の日々を送るわけですが、レオの奔放で魔性な部分がギランの心にいつも不安の影を落としてました。
ある日レオはギランに黙ってひとりで「アルジェ」に行ったため、そこでドラッグ中毒のオリヴィオという男に目をつけられ、拉致監禁されて犯されてしまうわけです。

で・・・そこで鞭の味を知ってしまうんです。
ドMだったんですね、レオは。
それを知ったギランは嫉妬に狂い、レオを痛めつけることで何とか精神を保とうとするんですが、自分の元を去られてしまう幻想に追い詰められて、最後はレオを猟銃で撃ち殺してしまいます。
亡骸は森の奥にある、防空壕の中に用意した枯葉の寝床に丁寧に横たえ、自分も後を追うべく毒薬を飲んで自殺する・・・

というお話です。
かなり端折ってますので、実際に読んだ方が絶対に面白いです。
これが45年も前の発想かよ!と思うと、ちょっと驚きです。
しかも文章中には具体的な描写がないのに、ものすごくレオのエロさが漂ってます。
好き嫌いのある作家だと思うのですが、一読の価値はありです。
いやー、久しぶりにいいもの読んだなぁ。
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乱菊

語ってる人 : 乱菊

njustaway.gifjustaway-gold.gifjustaway-silver.gifjustaway-gold.gifjustaway-darumaotoshi.gif

ある日突然BLに目覚めてしまった初心者腐女子の萌記録。
ただいま腐女子4年生。

レビューは最近b_88_31.gifさんとこで書いてます。
ここではもっぱらニッキとかメモとか覚え書きばかり。
タイトルに偽りありです。
ほんとすいません。


⇒ ☆ 購入 ☆
⇒ ☆ レビュー ☆

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